ポケットモンスター ピカチュウバージョン

1998年9月12日発売
公式サイト→https://www.nintendo.co.jp/titles/50010000038655
映画「ミュウツーの逆襲」上映記念を名目に発売された。
舞台は「赤」、「緑」、「青」と同じだが、アニメ風のアレンジが至る所で見られる。


◎固定された最初のポケモン
他のバージョンは3匹のうち1匹を選ぶ3択だが、本作では最初にもらえるポケモンがピカチュウに固定されている。
最初にもらえるピカチュウの声もアニメ版での大谷育江(本来は電子音による鳴き声)が担当。
任天堂キャラが原作、アニメ版、スマブラの3部門において同じ声優が起用されたのは2001年まではこれが唯一の例で、しかも万国共通。
当然、ライバルの最初のポケモンも3択ではなくイーブイに固定され、イーブイの分岐進化がシナリオ構成に活かされた。
ライバルの持つイーブイの進化は対ライバル戦の序盤の戦闘成績によって決定される仕組みとなっている。※1

◎道中で立ちはだかるジムリーダー
やはりアニメ風のアレンジが施されている。同時に手持ちの平均レベルが高くなり、覚えている技の見直しもされた為攻略難度が上がった。
タケシ、カスミ:服装がアニメ版に準じる。台詞もアニメの影響を受けている。
マチス:手持ちがライチュウ1匹(LV28).。
エリカ:3匹中2匹が最終進化系(2回目の進化)から1回目の進化系に変更。
キョウ:アニメでコンパンを使用した為、手持ちがコンパン3体、モルフォン1体に。
ナツメ:ケーシィ、ユンゲラーを非常に高いレベルで出す(共にLV50)。
サカキ:本来の地面タイプの他、アニメで持っていたペルシアン(純粋なノーマルタイプ)も繰り出す。
尚、カツラはアニメ風のアレンジが無い。セキチクジム攻略の辺りで本作が発売され、グレンジム攻略はその後だからである。

◎3択入手のポケモンを独占
「赤」、「緑」、「青」では3択でどれか1匹しか入手出来なかったフシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメを全て入手出来るようになった。
この3匹を入手するイベントは全てアニメ版の話がベースとなっている。単独で3匹全て手に入るバージョンはこのピカチュウバージョンのみ。

◎サファリゾーン
アニメ版では30個のサファリボールでケンタロスを30匹捕まえる話があった。
それを反映したのか、出現率が極端に低かったケンタロスの出現率が上昇。捕まえにくさは変わらなかったが。
また、野生のハクリューも釣れるようになった。

◎覚える技の改善
アニメ風のアレンジが中心となっているが、プラス要素が多く、後続のシリーズにも脈々と引き継がれている。以下は代表例。
ピカチュウ:「10まんボルト」を本作ではアニメ版に合わせてレベルアップで覚えられるようになった。
リザードン:秘伝マシン02で「そらをとぶ」を覚えられるようになり、名実ともに飛行タイプとなった。
マンキー:「けたぐり」をLV9で覚えるようになった。序盤で登場するのでニビジム攻略に役立つ。
ユンゲラー:野生LV20・27で出現する場合に限り、スプーンまげを覚えている。※2

上記で挙げたのはごく一部に過ぎず、アニメとは無関係の改良も多い。


総評
一見、アニメかぶれなバージョンではあるものの、そのアレンジは攻略(シナリオ進行、ポケモン図鑑集め等)で有用なものが非常に多い。
最初のポケモン固定、ジムリーダー&四天王戦など、バトルの難易度が全体的に上昇し、初代の中ではシナリオ攻略難度が最も高く、舐めてかかると痛い目を見る。
図鑑完成には「赤」、「緑」の2バージョン必須。それぞれのバージョンにしか出て来ないポケモンがいるからだ。この欠点は「青」も同様。※3
本作はアニメ風アレンジだけでは終わらず、レベルや使用ポケモンが制限された対戦、ポケットプリンタとの接続で図鑑印刷、技や出現率の調整、
「赤」、「緑」、「青」で横行した凶悪なバグの大量修正等々、改善点が多い。
しかし異色作過ぎる故、3DSによるリメイクは絶望的かもしれない。と思ったら・・・

そしてVCで復活
2016年2月27日、3DSバーチャルコンソールで「赤」「緑」「青」共々3DS版として再販された。
しかも基本的な仕様はGB版のままである。下手なリメイクをするよりもそのままのほうが良いだろう。
また、「黄」では19番道路の民家のミニゲーム「ピカチュウのサマービーチ」がなみのりピカチュウがなくてもプレイ可能になった。※4
周辺機器の都合上、ポケットプリンタでの図鑑印刷機能が廃止されている。


※1
オーキド研究所、22番道路の両方勝利→サンダース
オーキド研究所で勝利し、22番道路で負けるか勝負をしない→ブースター
オーキド研究所で負け→シャワーズ

※2
スプーンまげは「赤」「緑」「青」の時点で設定上では存在する技だったが覚えるポケモンが皆無で、変化技「ゆびをふる」でしか見ることが出来なかった。
ハナダのどうくつに出現するユンゲラーは出現レベルが高い為に高レベル習得技と入れ替わる格好でスプーンまげを忘れていたともいわれている。
技構成:LV27サイケこうせん、LV31じこさいせい、LV38サイコキネシス、LV42リフレクター

「黄」ではこの問題点を解決する為に野生のユンゲラーが最初から覚えてる技として設定された。ケーシィから進化させた場合は覚えないので注意。


※3
「赤」のみ出現:エレブー、アーボ、アーボック
「緑」のみ出現:ブーバー

※4
最初に貰ったピカチュウをなみのりピカチュウにするにはは64の対戦ソフト「ポケモンスタジアム」へ連れて行き、
LV30マスターボールカップ又はLV50〜55のトーナメントにピカチュウを連れて行き(レンタルポケモンが一体も入っていない)、ファイナルバトルでピカチュウを参戦させて優勝する。
予め所定のレベルにしなければならない上に難易度が非常に高く、上級者向けのやり込み要素である。
VC版における最大の改善点の1つ。


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