阪急京都線ダイヤ改善案

阪急京都線は2001年から需要とダイヤが全く噛み合わない部分を多く抱えている。
その為、輸送効率の悪化のみならず、列車の遅れも発生しやすくなっている。

現在のダイヤの概要
昼間ダイヤ
基本的に梅田〜高槻市は特急、準急、普通の三本立て、高槻市〜河原町は特急と準急のペアとなっているが、
梅田〜高槻市では特急の停車駅が増え過ぎた為に乗客が特急に集中過剰し、逆に準急は空気輸送を引き起こしてしまっている。
高槻市〜河原町は準急は各駅停車となる。こちらは2001年まで停車していた特急を大宮通過にしてしまったために、
大宮駅では京福嵐山本線や路線バスとの乗換え目的の駆け込み乗車を誘発してしまっている。準急の発車時刻にも原因あり。
休日では準急の半数が地下鉄堺筋線直通となるが、やはり需要とダイヤが噛み合っておらず、
その最たる例は大阪マラソン開催日に・・・
天下茶屋行き堺筋準急の客全員が梅田行き普通に乗換え、更に天下茶屋行き普通の客全員も梅田行き普通に殺到し、
後続の梅田行き普通を積み残し発生させるという実害をもたらした。その時の乗車率は積み残しで乗れなかった客も含めれば軽く300%を超えていた。
京都方面の観光客をターゲットとした快速特急京とれいんも走っているが、西院と大宮を通過する為、需要と停車駅が噛み合っていない。

朝夕ラッシュ時間帯
特急が無くなり、通勤特急と快速急行になる。
通勤特急は2010年まで十三〜高槻市間ノンストップだったが、2010年改悪で茨木市にも停まるようになり、
特急同様乗客の集中過剰を発生させてしまい、準急が(空気輸送とまではいかないが)ガラ空きになることが多い。
近年は通勤特急を減らして快速急行を増やす傾向にある。


停車駅案
現行の特急を名乗る種別は停車駅が壊滅状態なので白紙改正となる。

特急(梅田〜河原町):十三・高槻市・長岡天神・桂・西院・大宮・烏丸
2007年の通勤特急の停車駅を踏襲。
十三〜高槻市をノンストップとし、淡路と茨木市は準急に任せて大阪側の遠近分離を図る。
高槻市と長岡天神で準急と緩急接続。
女性専用車の設定は車両の座席の種類に関係なく10両編成限定。これは他種別でも同様。

快速特急(梅田〜河原町):十三・淡路・茨木市・桂・西院・大宮・烏丸
平日朝の河原町行、平日夕方の梅田行。
茨木市〜桂をノンストップとして京都側の遠近分離を図る。特急とは逆の役割。

雅洛・京とれいん(梅田〜河原町・嵐山):(十三)・淡路・桂・西院・大宮・烏丸
現行の快速特急は上記の通り通勤時間帯の種別に回す。
京とれいん(6300系使用)は十三通過。
嵐山発着は嵐山線内各停。

快速急行・急行(梅田〜河原町):十三・淡路・(南茨木)・茨木市・高槻市・長岡天神・桂・西院・大宮・烏丸
早朝、朝夕ラッシュ、深夜の主力種別。ほぼ現行通り。
南茨木は急行のみ停車。

快速・準急(梅田・天下茶屋〜河原町):十三・南方・淡路・南茨木・茨木市・高槻市・長岡天神・桂・西院・大宮・烏丸
特急とのペアで十三〜高槻市で大阪側の遠近分離を図る。
準急は高槻市〜河原町間を各駅停車。
地下鉄堺筋線直通便は朝夕ラッシュのみとする。千里線淡路〜天神橋筋六丁目間ノンストップ。

停車駅案に沿って実際の時刻を書いてみた

いずれも淀川の対岸を走る、阪急京都線の本来の持ち主(京阪電気鉄道)のダイヤを参考にした。

昼間ダイヤ改善案
特急、準急、普通の三本立てとし、梅田〜高槻市では特急と準急のペアで遠近分離を図る。
各停は半数が高槻市発着。残り半数は北千里発着とし、淡路で天下茶屋発着との相互接続。
この案の表では淡路での相互接続も一本の列車として扱う。

休日昼間(雅洛・京とれいん運行時間帯)改善案
雅洛・京とれいん運行時間帯は特急を毎時3本に減らし、運行区間を梅田〜高槻市に短縮。高槻市〜河原町は準急を快速に差し替えて補う。
快速の半数は高槻市で特急と接続、残り半数は雅洛・京とれいんの通過待ち。
各停を梅田〜河原町通し運行とする。
サカイマッスル堺筋準急は廃止。

現在の阪急京都線の惨状に対する阪急側の見解

あちこちで不便な部分が多く、2019年2月頃に阪急へ問い合わせてみたところ、一言で言えば「バランス重視のダイヤを目指しているが、片方を改善したらもう片方の利便性が落ちる」状況下に置かれている模様。

1:需要と供給が噛み合っていない休日昼間の堺筋準急は平日昼間での設定を望む利用者が存在する。

2:準急(各駅停車)の待避駅を変更(桂→長岡天神)するには京都線全体のダイヤを弄る白紙改正になってしまう。実現させれば以下のメリットがある。
高槻市〜桂での特急・快速特急の信号待ち(梅田行きは大山崎、河原町行は西向日)を解消。同区間で2分程度のスピードアップ。
長岡天神〜河原町において、準急での先発先着が成立し、桂で特急に乗り換える必要が無くなり、特急への乗客集中を緩和出来る。
快速特急を西院・大宮に停車させても後続の準急に信号待ちを発生させない。

3:快速特急が西院・大宮を通過する理由は、河原町行が桂で抜かした直後の準急の信号待ちが絡んでいる。両駅は周辺観光地への路線バスや京福との乗換駅であり、観光客をターゲットとする列車なのに観光需要が見込める駅を通過させる矛盾が生じている。両駅に停車させるには実質的に上記の待避駅変更案との同時実行が条件となっている。

3:特急の十三〜高槻市ノンストップ復活による準急との完全な遠近分離案については、「一度停車させた駅を通過に戻すのは反発を招く」と返答していたが、特急・快速特急の大宮通過はこれとは完全に矛盾している

4:女性専用車を10両編成に設定しない(=8両編成に統一する)理由は駅の停止位置によって女性専用車の乗車位置がずれ、乗客を混乱させる為。

現状では阪急側が理想とするバランス重視のダイヤを求めるならば、現在の特急を快速急行へ総入替えした上で、準急(各停)の待避駅を桂から長岡天神への変更が最適解となっている。



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