JRでの悪賢い(?)乗車券・特急券購入法

JRの乗車券や特急券は買い方によってはトクトク切符を使わずに通常の買い方よりも安く買う事が出来る場合がある。

分割購入の際には必ず乗車券・特急券の利用する区間が連続しているかを確認すること!


乗車券
乗車券は利用する営業キロが長いほど運賃上昇を区切る営業キロと運賃上昇額が大きくなる。
近距離だと3〜5キロ程度に対し、中距離・長距離だと20〜40キロ単位と大雑把になり、上昇額が300〜400円単位となる。
利用する区間によってはわずか数百メートルの差で加算されてしまい、数百円損してしまうケースも多くなる。
特に201キロ以上で適用される特定都市にある駅からの利用をする際には注意すべし。
こういった大損を最小限に留めるには運賃計算が変わる1つ手前の駅で一旦下車し、その駅で買い直すのが基本だが、例外もあるので運賃表と営業キロをにらめっこする必要がある。
例えば名古屋から甲南山手へ行く場合、営業キロは211キロで201〜220キロ(3570円)のはずだが、甲南山手は特定都市の1つである神戸市内にあり、
且つ201キロ以上なので名古屋〜神戸の営業キロ223.5キロが適用されてしまい、221〜240キロ(3890円)の運賃計算で扱われ、320円損する。
この損失を最小限に抑えるには甲南山手の1つ手前にある芦屋駅(神戸市内ではなく芦屋市内の駅)で下車し、そこで初乗り運賃(120円)を買い直せば損失を120円に抑えることが出来る。


特急券
特急券も乗車券と同じく分割購入すれば実際より安くなる場合もあるが、遠距離利用の場合は出発駅もしくは目的駅が新幹線乗換駅であれば新幹線乗り継ぎ特例を利用するといい。
JR四国土讃線高知〜多度津を利用する場合、本来の特急料金は1780円だが、高知〜大杉、大杉〜阿波池田、阿波池田〜多度津の3区間に分けて購入すれば、
3つの区間の特急料金がそれぞれ510円なので、510円+510円+510円=1530円となり、250円得する。ただし、この方法は大杉停車の特急を利用する場合のみ有効。
大杉通過の列車を利用する場合、高知〜阿波池田(1150円)、阿波池田〜多度津(510円)での分割購入となり、1150円+510円=1660円となる。
どっちにしろ得するパターンなので利用する列車によって使い分けるべし。

特急誘導として悪名高い函館本線滝川〜旭川についても分割購入で特急料金による損失を抑える事が出来る。
滝川〜旭川は営業キロが53.3キロで、わずか3300メートルの差で100キロ相当の料金(1100円)となってしまう。
この区間には特急停車駅として深川駅があり、滝川〜深川(300円)と深川〜旭川(600円)に分けて購入すれば300円+600円=900円となり、損失を200円抑えられる。


新幹線乗継ぎ割引と乗車券の分割購入を併用した模範例
長野〜名古屋を特急しなので利用する場合(条件:これらは全て窓口で買う)
トクトク切符には「信濃路フリー切符」があるが、旅行プランによっては損する場合も有り得る。
そこで長野へ旅行に行く際に運賃・料金の加算の度合いの欠陥を突いて安く買う方法を模索した。
乗車券は名古屋〜長野の切符で購入すると4310円だが・・・
名古屋〜中津川(1280円)、中津川〜塩尻(1620円)、塩尻〜長野(1280円)の3区間に分けて購入すると、
1280円+1620円+1280円=4180円となり、130円得する。
特急券は名古屋〜長野で買うと2310円だが、名古屋は新幹線乗換駅なので、購入の際に名古屋〜岐阜羽島の新幹線自由席特急券も同時に買うと、
新幹線との乗り継ぎ特例として名古屋〜長野の料金が割引されて1150円になる。名古屋〜岐阜羽島の新幹線料金は840円なので、
1150円+840円=1990円となり、320円得する。
つまり、本来は6620円のはずが分割購入や新幹線乗り継ぎ特例を駆使すれば6170円になってしまうのだ。
ちなみに名古屋〜篠ノ井の場合、乗車券は通常は4310円に対し、分割購入だと1280円+1620円+1110円=4010円となる。


特急のグリーン車でも分割購入
上記で挙げた通り、利用する区間によっては乗車券や自由席特急券を分割購入すれば安くなる。
実は区間によっては特急のグリーン券も分割購入で安くなることがあるのだ。条件を揃え難いのであまり実用的ではないが・・・。
グリーン券は100キロまで1240円、200キロまで2670円、400キロまで4000円となっており、区間によっては分割購入した方が安い。
しかし、グリーン券は指定席特急料金から510円引いた額の特急券と1つになった状態でなければ購入出来ない。つまり単体購入不可能なのだ。
即ち、分割購入するには特急券の分割購入した時の値段が通常購入時と同等もしくはそれ以下でなければならない。

例として特急雷鳥のグリーン車を大阪〜敦賀で利用したとすれば・・・
通常の購入だと特急料金は1780円(A特急料金から510円引き)、グリーン料金は2670円。
特急料金に注目!大阪〜京都はB特急料金、京都〜敦賀はA特急料金となっている。
B特急料金はA特急料金に比べて安く設定されているが、A特急料金とまたがっての利用だと全区間A特急料金になってしまう。
このケースだとAとBの料金適用の境界は京都駅なので、分割購入の区切りの駅は京都駅となる。
特急券(510円引き)を分割購入すると大阪〜京都630円+京都〜敦賀1150円で通常購入の1780円と同額。
グリーン料金の分割購入は大阪〜京都、京都〜敦賀共に1240円ずつで合計2480円となり、通常購入よりも190円安くなる。
結果として、通常購入4450円に対し、京都を境とする分割購入は4260円で買えてしまうのだ。
余談だが、この区間の普通乗車券についても特定運賃と通常運賃の境界が京都駅となっている。こちらは通常購入2210円に対し、京都を境とする分割購入は2160円。
また、特急はくとのグリーン車を新大阪〜上郡で利用する場合も雷鳥での例を応用して姫路を境とする分割購入で安くなることが判明した。
尚、この購入方法についてみどりの窓口で尋ねてみたところ、「分割購入した切符及び特急券の区間が連続していれば何ら問題ない。」との回答が出た。



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